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2019.01.27
COLUMN
芯地について
スーツの『生地』を気にされる方は多いと思います。
しかし、芯地を気にされる方は少ないのではないでしょうか?
というか、ほとんどいらっしゃらないと思います。
表地がスーツの顔ならば、芯地はまさに心臓のようなものだと私は思います。
芯地は見えない部分ではありますが、だからこそ重要であり、見えない部分でコストカットされたスーツが多く販売されているのが昨今の現状です。
最近流行している格安オーダースーツは、間違いなく芯地はおろそかにされていると思います。
カジュアルジャケットはアンコン仕様といって芯地が省かれたものが時として着られていますが、それは別として、正統派なスーツは間違いなくしっかりした芯地を使っています。
やはり芯地こそスーツの立体感を表現するとても大事なパーツなのです。
特に高級なものは、『毛芯』といって馬の尻尾の毛を使ったものが有名です。
フル毛芯仕立てのスーツの立体的なボリュームは接着芯仕立てのもの比べると風合いが別格ですし、やはり高級感が全く違います。
そして、接着剤ではなくハ刺しという手法で襟と芯地を留めるので立体感も生まれますし、湿気での型崩れや着崩れがしにくいのです。
また、ステッチや本切羽やお台場仕立ての仕様だけ施して、見えない部分の芯地や素人目には分からない縫製の部分をコストカットしている、一見高級そうに見せかけたスーツも最近多くネット販売で扱っているのを見かけます。
本物を見抜く目というのは今の時代、どの分野でも必要ですね。